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部品交換は困難も、プロの技術が光る!ドイツ製の歯科技工機器を修理(2)Wired, Weird(1/2 ページ)

歯科技工のブラシレスモータードライバーの調査依頼で、制御ボックスを開けたら高回転設定のコネクター抜けが見つかった。しかしコネクターを接続しても低回転設定では回転が不規則に変動する現象は変わらなかった。今回は回転が変動する原因を再調査した。

» 2025年09月29日 10時00分 公開

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 今回は歯科技工機器の修理の続きだ(前回の記事はこちら)。ブラシレスモーターのドライバーの調査依頼で、制御ボックスを開けたら高回転設定のコネクター抜けが見つかった。しかしコネクターを接続しても低回転設定では回転が不規則に変動する現象は変わらなかった。今回は回転が変動する原因を再調査した。ブラシレスモーターのドライバーの写真を図1に示す。

<strong>図1:ブラシレスモーターのドライバーの写真</strong> 図1:ブラシレスモーターのドライバーの写真[クリックで拡大]

考えられる要因は2つ

 図1の下に回転を調整するペダルがある。回転が変動するのは、電気的な要因と構造上のメカ的な要因の2つが考えられた。

 電気的な要因とは、恐らくペダルに使用されている可変抵抗の入力回路のヒステリシスだ。しかし、ペダルをゆっくり押しても早く押しても、最高回転数は変わらなかった。よって電気的な要因ではなさそうだった。

 やはり、構造上の要因を調べるべきだろう。回転数を変えるペダルの構造は片持ちの構造であり、その先に接続された可変抵抗器に偏荷重がかかり、部分的に摩耗している可能性が高い。また、ペダルを押す方向以外にもペダルのブレがあり、可変抵抗を取り付けた機構部の緩みも懸念された。

 ペダルの回転部の内側にある可変抵抗の取り付け部の写真を図2に示す。

<strong>図2:可変抵抗の取り付け部</strong> 図2:可変抵抗の取り付け部[クリックで拡大]

 図2に配線が4本見える。左側の黄色の2本は、ペダルの操作開始を検知する電源スイッチとペダルの回転状態をモニターする可変抵抗で、白い配線は動作状態を表示する赤LEDの配線、右側の黄色の配線はコネクターが抜けていた回転を選択するスイッチだ。

 中央の赤いスイッチはマイクロスイッチで、電源スイッチだろう。上奥側の大きなプラスネジに可変抵抗が固定されているようだ。レバーの操作で回転が安定しないのは可変抵抗の摩耗か、可変抵抗の内部にごみが入り込んで部分的に接触不良になった可能性が高い。

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