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マイコンの外部クロックと内部クロックの違い  種類や役割を一気に解説 Q&Aで学ぶマイコン講座(111)(2/3 ページ)

» 2026年01月28日 11時00分 公開
解説します

 最初にクロックツリーを構成する要素について解説します。その後、クロックツリーの構成を解説していきます。

クロック源

 クロックを生成する方法は大きく分けて2つあります。1つはコイルと抵抗(LとR)やコンデンサーと抵抗(CとR)の共振を利用してクロックを生成する自励発振回路です。もう1つは、水晶振動子やセラミック振動子に電圧を印加して発振させる他励発振回路です。

 自励発振回路は、マイコンのシリコン上に容易に形成できます。そのためオンチップオシレーターと呼ばれることもあります。コイル(L)をシリコン上に作ることは難しいので、一般的にはコンデンサー(C)と抵抗(R)で構成されます。不具合が起こりにくく、発振起動時間も短い回路です。しかし、精度の高い周波数を得ることが難しいという欠点があります。

 他励発振回路は、外部に、水晶振動子やセラミック振動子を接続する必要があり、発振起動時間が長く、電気的/物理的衝撃で破損されたり断線が発生したりする可能性があります。一方で、精度の高い周波数が得られるという利点があります(図2

<strong>図2:発振回路例</strong> 図2:発振回路例[クリックで拡大]

 STM32L4x6では、自励発振回路はLSI、HSI、MSIです。他励発振回路は、LSEとHSEです。

メインクロックとサブクロック

 主にCPUを動作させるクロック、いわゆるシステムクロックに使われるクロックをメインクロックと呼びます。それに対し周辺機能向けのクロックをサブクロックと呼びます。代表的なサブクロックには、時計機能用のクロックがあります。必要とされる周波数および周波数精度が異なると、1つの発振回路でまかなうよりも複数の発振回路を設ける方が効率的です。時計機能向けのクロックは32.768kHzが主流です。USBなどでは48MHzが使われます。

 STM32L4x6では、メインクロック用発振回路はHSI、HSEです。サブクロック用は、LSE、LSI、MSIです。

 特殊なものでは、シリアルオーディオインタフェース(以下、SAI)用のクロックがあります。SAIには直接SAI1_EXTCLK端子やSAI2_EXTCLK端子から入力します。

PLL

 PLLはクロックを逓倍する(周波数を高くする)回路です。例えばクロック源で生成した10MHzを8倍して80MHzにします。マイコンの内部には逓倍された80MHzが供給されます。逓倍比は、レジスタで選択できますので、さまざまな周波数を選択できます。システムクロックはもちろん、周辺機能にもPLLからのクロックが供給されます。周辺機能に適応する周波数も生成できるようになっており、複数のクロック出力ラインを設けられているものもあります。

 PLLに関しては「Q&Aで学ぶマイコン講座(73):発振子よりも、マイコンが高い周波数で動作できるのはなぜ?」を参照してください。

 クロック源とPLLを組み合わせてさまざまな周波数のクロックを生成します。それらのクロックを各機能に供給する経路が設けられています。

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