民生向けの製品は短期間で開発することが求められる。これは、社内外のIPブロックを利用すれば理論的には可能である。そのため設計チームは、すでに実績のあるIPを探し、パフォーマンスなどをチェックして、価格と法的条件の交渉を行うことにした。同種のIPが複数のベンダーから入手できる場合には、詳細な比較を行った。その際、まだ実績のないものについては、一般的な開発スケジュールを案出してそれを検討要素に加えた。IPとして入手できないものは、チームで独自に開発を行った。
プロジェクトの開始時に、購入したIPブロックのすべてが完全だったわけではない。そのため、製品の開発には大きな不安が残っていた。プロジェクトの開始時点で設計者らはIPプロバイダと開発スケジュールを取り決めていたが、以下に挙げる4つの大きな問題が発生した。
当社のチームは、このプロジェクトでいくつかのIPブロックを開発した。パフォーマンス面でクリティカルなすべてのブロックに、競争上の優位性を持たせるためだ。具体的には、チームの知識が集約されたNAND型フラッシュメモリー用インターフェースのほか、システムの電力消費量を最適化するためのチップ制御ユニットとクロック生成ユニット、内蔵マイクロコントローラと小型ディスプレイで利用する柔軟なディスプレイインターフェース、DC-DCコンバータやチャージポンプ、低飽和型レギュレータ(LDO)、チャージャなどの電力管理ブロック、アナログのオーディオブロックなどを開発した。
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