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ダイオードのターンオン特性を把握する(2/2 ページ)

» 2009年05月01日 00時00分 公開
[Jim Williams,David Beebe(Linear Technology社),EDN]
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測定結果の例

 図8〜12に示したのは、上述した測定系により、さまざまなメーカーが供給している5個のダイオード1〜5のターンオン特性を測定した結果である。

 図8に示したダイオード1のターンオン特性を見ると、約3.6nsにわたって定常状態の順電圧よりも高いオーバーシュートが発生している。その最大値は、200mVに達している。それでも、5つのダイオードの中では、最も優れた性能を示している。


図8 ダイオード1のターンオン特性 図8 ダイオード1のターンオン特性 ダイオード1〜5の中で、最も優れた特性を示している。

 図9〜12に示すとおり、ダイオード2〜5では、ターンオン時間とオーバーシュート電圧が非常に大きいことがわかる。特に、ダイオード5では、オーバーシュート電圧が順電圧の公称値に比べて1V以上も大きく、公称順電圧に戻るまでに数十nsもの時間がかかっている。このような製品を使用した場合、レギュレータICの故障を引き起こしかねない。

 本稿で述べたとおり、電源回路の信頼性を保証するためには、ダイオードのターンオン特性を測定/評価することが非常に重要である。


図9 ダイオード2のターンオン特性 図9 ダイオード2のターンオン特性 6nsのセトリング期間中に、大きなオーバーシュートが生じている。そのピーク値は、定常状態の順電圧の2倍以上となる約750mVまで達している。
図10 ダイオード3のターンオン特性 図10 ダイオード3のターンオン特性 順電圧の標準値である400mVを1Vも超えており、2.5倍もの誤差が生じている。
図11 ダイオード4のターンオン特性 図11 ダイオード4のターンオン特性 オーバーシュートは約750mVにまで達し、その後、通常の順電圧に戻るまでに20ns以上の長い時間がかかっている。なお、X軸のスケールは、図8〜10に比べて2.5倍の5ns/DIVである。
図12 ダイオード5のターンオン特性 図12 ダイオード5のターンオン特性 Y軸スケールの範囲外まで電圧が達している。X軸のスケールは、図11と同じく5ns/DIV。
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