図1に示す回路は、ゲーム機において、いちばん最初にボタンを押したプレーヤーを示すために考案したものだ。すなわち、いちばん最初に生じたイベントを検知する回路である。各ボタン(スイッチS2〜Sn+1)には、そのボタンが押されたことを表示するためのLED(以下、表示用LED)がフォトカプラを介して接続されている。最初にボタンを押したプレーヤー(以下、プレーヤーnが最初に押したものとする)用以外の表示用LEDは、すべてリセットボタンが押されるまで状態が固定される。
プレーヤーnがボタンSn+1を押すと、それに接続されたフォトカプラがオンになり、対応する表示用LEDnが点灯する。この表示用LEDnは、プレーヤーnがプッシュボタンから手を放しても点灯したままである。このとき、図1のノ ードAの電圧VAは約3.7Vに低下する。この電圧は、フォトカプラ内部のLED、フォトカプラ内部のトランジスタ、表示用LEDのそれぞれで生じる電圧を加算した値に等しい(1.3V+0.6V+1.8V= 3.7V)。この電圧の低下に対応して、緑色LEDが消灯する。
図2において、時間T1はプレーヤーnがボタンを押した時間を表している。T1以降は、ほかのプレーヤーがボタンを押しても状況を変えることはできない。ほかのフォトカプラがオンになるには、ノードAの電圧VAがツェナーダイオードD1の電圧である3.9V以上でなければならないからだ。
リセットボタンが押される(図2の時間T2)と、プレーヤーnに対応する表示用LEDnがオフになる。このとき、ノ ードAの電圧が9.2Vに復帰するので、緑色LEDが点灯する。
この回路は、自動リセット機能も備えている。プレーヤーnがボタンを押してノードAの電圧が3.7Vに低下したとき(図3の時間T1)、IC1Aの1番端子と2番端子への入力が論理レベルのローになり、3番端子の出力はハイになる。それによって、コンデンサC1への充電が始まる。その後、充電時間として約30秒(コンデンサC1と抵抗R3の値によって決まる)が経過すると(図3の時間T2)、C1の電圧が十分に高くなり、IC1Bの4番端子の出力がローに変わる。すると、コンデンサC2を介してパルス電流が流れ、そのとき、ノードAの電圧が約2Vになる。この動作により、フォトカプラ内部のLEDに流れていた電流が一時的に途切れる。その結果、回路が自動的にリセットされる。このとき、IC1Aの3番端子の出力はローになり、IC1Bの4番端子の出力がハイになるため、C2の電荷が放電して回路の動作が初期状態に戻り、緑色LEDが点灯する。
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