フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンが発表した「CRTouch」は、抵抗膜と静電容量の両方式のタッチパネルに対応したセンシングプラットフォームである。タッチパネル制御ICに加えて、開発ボードやドライバといった各種ソフトウェアを提供する。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2012年1月、スマートフォンやタブレット端末に広く使われている静電容量方式と、製造コストが安価な抵抗膜方式、両方のタッチパネルを駆動/制御する新たなセンシングプラットフォーム「CRTouch」を発表した。タッチパネル制御ICや開発ボード、ドライバといった各種ソフトウェアで構成したもの。対象機器は、産業機器の制御パネルや車載情報機器、POS端末、電子署名認識機器、キオスク端末などである。
開発ボードのサンプル出荷を2012年第1四半期に開始する。開発ボードの価格は85米ドル。制御ICを1万個購入したときの価格は1.47米ドルである。LinuxおよびAndroidに対応したドライバソフトやデモ用GUI(Graphical User Interface)などは、同社のWebサイトから入手できる。
タッチパネル制御ICは、4線または5線式の抵抗膜方式タッチパネルの駆動回路と、4個までの電極を使用する静電容量方式タッチパネルの駆動回路、両方式に対応した制御回路、ホストマイコンとのインタフェース回路で構成した(図1)。パネルに触れたことを検出する基本的な機能の他、2本の指をスライドさせることによる画面の拡大(ピンチイン)、画面の縮小(ピンチアウト)、画面回転といったジェスチャー認識機能を実現できる。「抵抗膜と静電容量の両方式のタッチパネルに対応した1チップデバイスは業界初」(同社)という。
ホストマイコンとのインタフェースは、I2CとUART。動作温度範囲は20〜85℃、電源電圧は1.8〜3.6V。パッケージは5×5mmの32端子QFNである。
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