モバイル機器向けマルチメディアインタフェース規格「MHL」に対応するローデのプロトコル試験機は、同規格のコンプライアンステスト仕様に沿ったプロトコルテスト機能に加えて、コンテンツのオーディオ/ビデオ信号を解析する機能も搭載できる。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2012年3月、モバイル機器向けマルチメディアインタフェースの標準規格「MHL(Mobile High-Definition Link)」に対応したプロトコル試験機「R&S VTE」と小型のエントリ機「R&S VTS」を発売した。プロトコル試験の機能に加えて、MHLインタフェースで伝送するマルチメディアコンテンツのオーディオ/ビデオ信号を解析する機能も備えたことが特徴だ。スマートフォンやタブレットPCなど、MHLインタフェースを搭載する各種モバイル機器の試験や評価に使える。
MHLは高品位(HD)ビデオ対応のデジタルインタフェース。HDMI規格との互換性を備えており、モバイル機器で再生したビデオコンテンツを高品位テレビ(HDTV)に伝送して楽しむといった使い方ができる。
ローデは今回、R&S VTEおよびR&S VTS向けに、MHLが定めるコンプライアンステスト仕様(CTS)に沿ったプロトコルテスト機能をオプションで用意した。シンク機器用オプションとソース機器用オプションがあり、映像/音声のパラメータや、InfoFrame、HDCPをリアルタイムに解析できる。さらに、オーディオ/ビデオ信号のモニタリングと判定を行うソフトウェアをオプションで装備すれば、携帯電話機などのモバイル機器が受信した後の映像信号についてフレームごとに測定を実施し、客観的な評価を行うことが可能になるという。
R&S VTEは、高さ13.2cm、幅23.2cmのサイズながら、3スロット分のオプションボードを装着できるモジュール構造を採用した。当初はMHLの受信/送信モジュールを提供し、その後、HDMIや他の信号の発生/解析モジュールも投入していく予定だ。
エントリ機のR&S VTSは、高さが5.4cmとさらに小型である。複数の測定器と組み合わせて、品質保証や生産ラインなどのシステムを構築する際に使える。
両機種ともに制御用PCを内蔵しているので、ホストコンピュータに接続せずに単体で利用することも可能だ。価格は、最小構成時にR&S VTEが255万8000円から、R&S VTSが157万3000円から(いずれも税別)。
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