6個の電流計測チャネルと1個の電圧計測チャネルを集積した電力量計測用のアナログフロントエンドICである。課金用の電力メーターに適用するのに十分な計測精度を有している。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2012年3月、電力量計測用のアナログフロントエンドIC「ADE7816」を発表した。6個の電流計測チャネルと1個の電圧計測チャネルを集積しているので、6個の単相電力量計測用ICを1チップで置き換えられる。主な用途は、データセンターの配電ユニット、電力の監視/管理システム、マルチチャネルの電力メーターなど。既に量産を開始している。1000個購入時の単価は、6.35米ドル。
ADE7816の7個の計測チャネルには、それぞれ可変ゲインアンプ、ΔΣ型A-D変換器、高精度の電力計測用コアが組み込まれている。これらの計測チャネルから得られた電圧と電流の情報から、有効電力、無効電力、瞬時電圧(rms値)、瞬時電流(rms値)を計算し、ADE7816に接続したマイコンに出力する。有効電力と無効電力の計測精度は、ダイナミックレンジが1000:1の場合で±0.1%、ダイナミックレンジが3000:1の場合で±0.2%。これらの精度は、課金用の電力メーターに適用するのに十分であるという。
また、シャント抵抗、ロゴスキーコイル、電流トランスといった外付け部品を利用した電流計測にも対応している。2本の外部割り込み端子を用いれば、過電流、過電圧、ピーク、サグ(下降変動)などの電力品質に関する情報を収集することもできる。マイコンとのインタフェースは、I2CとSPI(Serial Peripheral Interface)に加えて、リアルタイムでサンプル波形を出力できるHSDC(High Speed Data Capture)も利用できる。
その他の仕様は以下の通り。電源電圧は3.3V。パッケージは、外形寸法が6mm角の40端子LFCSP。動作温度範囲は−40〜85℃である。
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