ウォルフソン・マイクロエレクトロニクスの「WM5110」は、業界で初めてクアッドコアを採用したオーディオプロセッサである。モバイル機器を対象に、多様なオーディオ処理機能を提供する。
ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス(Wolfson Microelectronics)は2012年5月、クアッドコアを採用したオーディオ処理用プロセッサ「WM5110」を発表した。処理性能は600MIPSと高く、これは同社の前世代品に比べて10倍の性能に相当する。「クアッドコアのオーディオプロセッサは業界初。現在市場において最もパワフルかつ効率性の高いオーディオプロセッサだ」(同社)と主張する。スマートフォンやタブレットPC、携帯型オーディオプレーヤーなどを対象に、既に数量限定でサンプル出荷を開始している。
WM5110には、クアッドコアプロセッサの他、プログラマブルなオーディオフィルタや、6系統のA-Dコンバータ、8系統のD-Aコンバータ、2W出力のD級アンプに向けたドライバ回路、PDM(Pulse Density Modulation)出力回路、LDOレギュレータといった豊富な機能を搭載した。
多様な雑音抑制機能を用意したことも特徴で、具体的には「アンビエントノイズキャンセレーション(ANC)」や「アコースティックエコーキャンセレーション(AEC)」、「トランスミットパス(Tx)/レシーブパス(Rx)のノイズリダクション」などを搭載した。これらの機能を組み合わせることで、周辺雑音を最大90%削減できるという。
SN比はA-Dコンバータ部が100dB、D-Aコンバータ部が110dB、ヘッドフォン使用時の標準的な消費電力は3mWである。
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