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マルチナイキスト型の高周波D-A変換器IC、複数規格対応の基地局を実現Maxim MAX5879

Maximの「MAX5879」は、2.3Gサンプル/秒動作の高周波出力に対応したマルチナイキスト型の14ビットD-A変換器ICである。これを活用すれば、単一のハードウェア構成でマルチキャリア/マルチバンド/マルチ規格の携帯電話基地局を実現できるという。

» 2012年06月13日 13時29分 公開
[EDN Japan]

 Maxim Integrated Productsは2012年6月、携帯電話の基地局をはじめとする無線通信のインフラ機器に向けて、高周波出力に対応した2.3Gサンプル/秒動作の14ビットD-A変換器IC「MAX5879」を発売した。一般的なD-A変換器が対応するナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2の周波数)以下の帯域に加えて、ナイキスト周波数の2倍、3倍、……と高い周波数帯域の出力も可能な「マルチナイキスト」タイプである。これを活用すれば、単一のハードウェア構成でマルチキャリア/マルチバンド/マルチ規格の基地局を実現できるという。

 電流ステアリング方式のD-A変換器ICである。マルチナイキスト動作は、具体的には以下の4つの出力モードをユーザーが切り替えて使う。

MAX5879 MAX5879の機能ブロック図 (クリックで画像を拡大)

 1つ目は「NRZ(Nonreturn-to-zero)モード」で、ナイキスト周波数までの領域(1次ナイキスト領域と呼ぶ)において最大のダイナミックレンジと出力電力が得られる。2つ目は、「RZ(Return-to-zero)モード」で、1次/2次/3次ナイキスト領域において、SN比とのトレードオフで利得平坦性を改善できるという。3つ目は「RF(Radio-frequency)モード」で、2次/3次ナイキスト領域において、SN比とAC特性を最適化することが可能だ。4つ目は「RFZ(Radio-frequency-return-to-zero)モード」で、3次/4次/5次/6次ナイキスト領域においてダイナミックレンジと利得平坦性を改善している。

 消費電力は、フルスケールの出力電流が80mAの場合に2.3Wである。動作温度範囲は−40〜+85℃。17×17mmの256端子CSBGAに封止した。価格は要問合せ。

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