なお、モーター制御などでは高速に命令を実行する必要があるため、F30には命令格納用のSRAMを最大8Kバイト内蔵した(図4)。STM32Fは、ノイマンアーキテクチャではなく、ハーバードアーキテクチャを採る*1)。つまり、データ格納用のメモリと命令格納用のメモリが完全に分離されている。データはSRAMに置き、サイズの大きな命令はフラッシュメモリに格納している。しかし、フラッシュメモリへのアクセスは低速であるため、CCM(コア結合メモリ)-SRAMを置いた。命令実行性能が52%向上するという。なお、CCM-SRAMはデータ格納のために用いることもできる。
*1) データとプログラム(命令)を同時に取得できるなど高速化に向いたプロセッサアーキテクチャ。
STM32 F3シリーズは、内蔵フラッシュメモリのサイズ(64Kバイト、128Kバイト、256Kバイト)とパッケージの種類により、30品種に分かれる。
256Kバイトで100端子のLQFP(またはBGA)パッケージに封止したSTM32F373VC(サンプル価格3.69米ドル)と、STM32F303VC(サンプル価格3.86米ドル)は、既にサンプル出荷を開始している。それ以外の品種は2012年第3四半期にサンプル出荷を開始する予定。その後、4.6mm角のWLCSP66パッケージに封止した品種も投入する。
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