iC-Hausは、「TECHNO-FRONTIER 2013」(テクノフロンティア2013、2013年7月17〜19日)で、18ビットの中空軸磁気式エンコーダICを展示した。
ドイツの半導体メーカーであるiC-Hausは「TECHNO-FRONTIER 2013」で、最新の中空軸磁気式エンコーダIC「iC-MU」を展示した。センサー、アンプ、コンパレータ、シグナルコンディショニング、I/O、インターポレータ、ラインドライバを1パッケージに搭載したもので、18ビットと高い分解能を実現している。そのため、光学式エンコーダからの置き換えが可能になるという。
エンコーダは大きく分けて「光学式」と「磁気式」の2種類がある。位置検出の精度が高い(分解能が高い)のは光学式エンコーダだが、耐環境性が低いというデメリットがある。ゴミやほこりの多い環境でも、精度を優先して光学式エンコーダを使わざるを得ない場合もあるが、iC-MUを使えば、そういったケースで光学式エンコーダからの置き換えが可能になる。iC-MUは中空軸タイプのため、光学式エンコーダと同じように回転ディスクとともに使用できるからだ。
iC-MUのパッケージは5×5mmの16端子DFN。動作温度範囲は−40〜95℃である。2012年11月にサンプル出荷を開始していて、量産は2013年11月に始める予定だ。iC-Hausの担当者は「18ビットの分解能を持つ中空軸磁気式エンコーダは、現時点ではiC-MUのみである」と強調している。
iC-Hausは、自動車、産業機器、医療機器など向けに、ASSP/ASICの設計や製造、販売を手掛けている。iC-Hausは、「エンコーダやインターポレータ(エンコーダの位置検出の精度をさらに上げる)といったニッチな製品を提供している当社だが、これらの製品の精度の高さには自信がある」と述べる。大手自動車メーカーが多い日本での売り上げ拡大にも力を入れていて、日本語で対応できるアプリケーションエンジニアを日本に常駐させるなど、サポート体制の充実を図っている。
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