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これは便利! 2端子の発振回路「シリアルオシレータ」Wired,Weird(1/4 ページ)

「シリアルオシレータ」という回路をご存じでしょうか。ご存じない方がほとんどでしょう。それもそのはず、筆者が考案したオリジナルのアイデア回路だから仕方ありません。でも、このシリアルオシレータは、単純な発振回路なんですが、とても使い勝手がいいんです。このまま世の中に知られることなく、埋もれてしまうのはもったいないので、読者の皆さんに紹介します。ぜひ、シリアルオシレータを使ってください!

» 2013年09月12日 10時00分 公開
[山平豊内外テック]

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 シリアルオシレータは仮称だが、筆者のオリジナルの発振回路である。30数年前に赤外線センサーの設計を担当している時に、既存の発振回路を改良してこの回路を見つけた。面白い回路なので実用新案で出願してみた。しかし当時はサイリスタ型の発振素子であるUJT(ユニジャンクショントランジスタ)やPUT(プログラマブルユニジャンクショントランジスタ)が花盛りの時期であり、類似回路と見なされ実用新案を拒絶されてしまった。このため、この回路に知的財産などの使用上の制約はない。当時はこの回路を部品点数が少ないSCR型の発振回路として考えていなかったが、数十年経過して、回路図を見直したら2端子の発振回路であることに気付いた。また2端子回路は便利に使えることも分かったので合わせて説明する。

治具やツールに最適!

 新規に基板を設計する場合、その基板の評価やデバッグ治具などのいろいろなツールが必要になる。その時に2端子回路は便利に使える。例えばセンサーの信号を数分間に1回入力する回路や、短い出力パルス時間を長い時間に変える回路だ。この回路を簡単に基板に付加できれば、連続で基板の評価ができ仕事の効率も上がる。シリアルオシレータはこのような軽い用途にも適している。

電源と負荷の回路ループのどこに入れても発振する

 シリアルオシレータはその名前の通り、直列(シリアル)接続すれば発振(オシレータ)するという意味である。電源と負荷の回路ループのどこにでも配置してよく、回路の途中に入れると発振する。特に電源は必要なく、負荷から微小な電流をもらって発振する。読者にはピンとこないと思うので、どんな用途に使えるのか分かるように、参考例を紹介していこう。

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