ローデ・シュワルツ・ジャパンは、米ITSと独miro-sysが開発した「Automotive Radar Target Simulator」を発売した。車載レーダー試験のシナリオ向けに、複数ターゲットの距離/速度/サイズを動的に設定できるシミュレーション環境を提供する。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2015年2月、米ITSと独miro-sysが開発した「Automotive Radar Target Simulator」(車載レーダー・ターゲット・シミュレータ:以下、ARTS)を発売した。シグナル・スペクトラム・アナライザR&S FSWに搭載されたFM CW チャープ信号解析オプションと組み合わせることで、車載レーダー・センサーの開発と生産向けの試験ソリューションを提供できるという。
ARTSは、車載レーダー試験のシナリオ向けに、複数ターゲットの距離/速度/サイズを動的に設定できるシミュレーション環境を可能にした。異なるパラメータで、最大4つの独立したターゲットをシミュレーションする他、その設定値をリアルタイムで表示できる。
ARTSとR&S FSWは、1回の測定でレーダー・センサーの評価で重要とされる、複数のパラメータ評価を行うことができる。取得データは自動的に解析・評価しやすい形に処理でき、開発、生産、品質保証から認証試験までの各段階で、より現実に近い試験シナリオを実施できる。
さらに生産ラインでは、適切なPass/Fail判定マージンを持つ、一連のレーダー・センサー向け試験シナリオを最初から行うことができる。シミュレータは1m以下の距離で試験できるため、試験用チャンバーの小型化を可能にした。これにより、省スペースでの試験を可能とし、走行安全関連のレーダー部品をランダム検査だけなく全数検査することもできる。
R&S FSWは、最大500MHz解析帯域幅でのレーダー信号測定と自動解析を可能にした。分解能帯域幅(RBW)50MHzのスイープモードによる測定も可能で、欧州の77〜81GHz帯車載近距離レーダー向け規格「ETSI EN 302 264 1」に準拠した測定ができる。
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