Type-Cコネクターは、合計24端子(接点)を備えている。従来のType-A/Bコネクターに比べるとその数は格段に多い。この中には、新たに追加された端子がある。その1つが「CC端子」である。この端子を使ってコネクターに差し込まれたプラグの向きを判別することができる。またCC端子はPDプロトコルでの通信にも使用される。接続された機器間における給電の方向や、供給する電流/電圧の設定、各端子の役割を確定する際のネゴシエーションも、CC端子を使って通信が行われる。PD機能を用いる際に、重要な役割を果たす端子である。
ここでは、簡単にCC端子の働きを紹介しておく。Type-Cコネクターを搭載した機器では、5Vなどにプルアップされたホスト側のCC1/CC2端子と、グラウンドにプルダウンされたデバイス側のCC1/CC2端子の電圧を、それぞれモニターしている。ケーブルが接続されるとCC1とCC2の端子間に電位差が生じる。これによって、ホスト側及びデバイス側がどの端子間で接続されたかを検出する。また、デバイス側はホスト側のCC端子電圧を読み取ることで、ホスト側が出力可能な電流(500/900mA、1.5A、3.0A)を確認することができる。
CC端子の重要性がより高まるのが、PDモードを活用する時だ。PD2.0規格に対応した機器では、接続された機器同士が給電の方向や電圧/電流のネゴシエーションを行う。このために、それぞれの機器に実装されたPDコントローラーがCC端子を介して通信を行う。ネゴシエーションが成立すると、PDコントローラーがそれぞれの機器内の電源回路を制御して、給電方向などを設定することになる。
機器間のネゴシエーションは、BMC(Bi-phase Mark Coding)シグナリングと呼ばれるエンコード技術を用いた信号により通信が行われる。このエンコードは、データが“1”の場合、クロック信号の1周期内に1つエッジを入れる。こうすることで、DCバランスが保たれる、同期がとりやすいなど通信エラー防止する効果がある。また、信号品質を客観的に評価するアイパターンのマスクテストもかなり厳しく設定されている。このため回路設計や信号品質の解析には十分に注意する必要がある。ビットレートは300kビット/秒と比較的遅い。
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