CIDの位置や方向は、ドライバーの位置から見えやすいように最適化されている。そのため、通常はわずかに上向きに傾けられている。ほとんどの場合、このような配置が理想的である。しかし、同時にクルマの窓やサンルーフを通ってディスプレイに差し込む直射日光は、遮られない構造でもある。また、一定の輝度を超すと、直射日光によってディスプレイ上の画像が見えにくくなったり、見えなくなったりすることもある。この場合も、ディスプレイ自体は「正常に」動作しているかもしれないが、ユーザーからすると、ディスプレイは事実上その機能を果たしていないといえる。
直射日光の影響も、DDICのディスプレイ最適化で修正ができる。画面に当たる周辺光の強度を測定するため、ディスプレイ画面の近くに配置されたディスクリート周辺光センサーの測定値を利用し、インテリジェントなコントラスト最適化によって直射日光下の可読性向上(SRE:Sunlight Readability Enhancement)が実現できる。
SREには、画像内の暗い影の深みを増して、直射日光の差し込みによる色あせを補正し、文字の可読性を高める効果がある。
今回、より大型で、より高解像度のディスプレイを追求する自動車市場の傾向から解説を始めた。その背景には、スマートフォンやタブレット端末のような魅力的なディスプレイが、クルマにも搭載されることを望む消費者の期待がある。
車載ディスプレイの開発を推し進める原動力は、消費者への訴求力である。従って、次世代ディスプレイの仕様には、より大型で、より効果的な新しい車載ディスプレイを動作させるために必要な、現実的な条件を考慮に入れなければならない。
今回説明したように、DDICとCABCによるピクセルごとの画像強化によって、あらゆる動作環境において、ディスプレイのパフォーマンスを最大限に高めることができる。
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