“電子部品をより正しく使いこなす”をテーマに、これからさまざまな電子部品を取り上げ、電子部品の“より詳しいところ”を紹介していきます。まずは「フェライト」について解説していきます。
磁力とは磁石が互いに引き合い、あるいは反発しあうような場合に感じられる、いわゆる「力」のことであり、磁性とはこの磁力に反応する物質固有の性質のことです。ちなみに、このような力の伝達が行われている場(フィールド)を磁界(磁場)、磁性を持つ物質を磁性体と呼び、磁性を発現させることを「磁化する」と言います。磁界は電荷の運動*1によって生じ、磁束は磁界の様子(方向、強さ)を表します。
*1:電荷の運動とは電子の運動(=電流)のことです。
磁性体は物質中の磁束の変化によって表1のように分類されます。また、物質によって異常に強い磁性を有するもの(例:鉄など)があり、これらを特別に強磁性体と呼びます。
さらに強磁性体は本連載で取り上げる、コア材などに用いられる
①磁界を与えた場合のみ磁性を発現するもの(軟磁性体) と、
磁石材料などに用いられる
②磁界を与えなくても常時、磁性を発現するもの(硬磁性体)
に分けられます。
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