62mmパッケージを採用したIGBTモジュールの新製品:インフィニオン 62mm IGBTモジュール
インフィニオンテクノロジーズは、62mmパッケージを採用したIGBTモジュールのラインアップを拡大することを発表した。最大定格電流は1200V品が600A、1700V品が500Aとなる。
インフィニオンテクノロジーズは2017年3月、62mmパッケージを採用したIGBTモジュールのラインアップを拡大することを発表した。62mmパッケージ上でチップ面積を広げ、改良型のDCB基板を活用することで、パッケージサイズを拡大せずに電力密度を向上できる。
最大定格電流は阻止電圧1200V品が600A、同1700V品が500A。パッケージにベースプレートを装備し、既存の設計に組み込むことができる。駆動装置に使用すれば、出力電力が20%向上するという。
62mm IGBTモジュール
3レベルトポロジー(NPC2)の設定が可能なコモンエミッタ構成も2種類用意し、駆動装置や太陽光発電用インバーター、無停電電源装置などの用途に対応する。動作温度は最大150℃となっている。
新製品は既に量産を開始し、サーマルインタフェースマテリアル(TIM)塗布品も利用できる。関連製品として、はんだ接合技術を使った34mm/50mmパッケージの入力整流器用サイリスタやダイオードモジュールの新製品も提供している。
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- IGBTの熱計算により 電力設計の有効性を最大化
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- 大きな入力容量に対応可能なゲート駆動回路
- 並列接続IGBTの駆動
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- 第7世代IGBTを搭載したパワー半導体モジュール
三菱電機は、第7世代IGBTを搭載したパワー半導体モジュール「IPM G1」シリーズのサンプル提供を開始した。産業用機器の低消費電力化/小型化に対応するという。
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SiCやGaNを使う次世代パワー半導体の開発が進んでいるものの、当面は旧来のシリコン材料を用いたパワーMOSFETが広く使われるだろう。ただしシリコン品の性能を高めるには、もはや半導体素子構造の改良では間に合わない。ウエハー処理の後工程となる組み立てプロセスとパッケージ技術の進歩が貢献する。
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