下の回路(図5)は、マイクロコントローラーベースDC-DCコンバーターの簡略回路図です。フルブリッジパワー段と出力の同期整流段の両方を含む、全てのタイミングがデジタルで制御されます。
マイクロコントローラーはオペアンプ素子を内蔵しています。つまり、センス入力をマイクロコントローラーに直接接続することができます。マイクロコントローラーは入力電圧、出力電圧、出力電流に関する情報を保持しているので、短絡や過負荷状態をモニターする外部回路が不要です。入力電圧のモニタリングにより、制御された状態で起動でき、適応ヒステリシスでの低電圧ロックアウトをプログラムできます。4個目のオペアンプ入力を使用すれば、DC-DCコンバーター内と離れた負荷のどちらの過熱状態もモニターすることができます。過熱状態の結果は、アプリケーションに必要な性能に応じて設定可能です(例えば、シャットダウンとラッチオフ、シャットダウンとクーリングダウン後の自動リスタート、熱損失を減らすための電力制限など)。
外部データの接続により、動作条件を臨機応変に更新したり、事前に設定された各種性能オプションを選択することができます。また、双方向通信バスにより、障害の報告や状態の更新が可能です。
図6に、内部ステートマシンを図示します。コントローラーの各種サブルーチンが、マトリクス型の対応表を使って正確な応答をリアルタイムで計算します。
システムコントローラーのルーチンは、動作状態に応じて異なるマトリクス表間で切り替わります。デジタルコントローラーの長所は、部品数をかなり削減できることと、出力電圧と出力電流をインテリジェントに制御できることです。
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※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。
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