MIL-HDBKの故障率モデルに従って故障率を計算し、その結果とJEITAが公表している故障率とを比較して標準的なディレーティングを考えます。
代表的なメタライズドフィルムキャパシターの値は0.1μFとします。その他の条件、計算式は下表の通りです。
JEITAとMIL-HDBKはほぼ同じ故障率になり、JEITAの背景にある平均的な設計値は上記のようなディレーティングになっていると推定できます。
次回は構造に起因するフィルムキャパシター固有の使用上の注意点について説明します。
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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