ルネサス エレクトロニクスは、産業用イーサネット通信EtherCATに対応した高性能マイコン「RX72M」を発表した。EtherCATスレーブコントローラーを内蔵し、産業機器の制御機能と通信機能を1チップに集積した。
ルネサス エレクトロニクスは2019年6月、産業用イーサネット通信EtherCATに対応した高性能マイコン「RX72M」を発表した。EtherCATスレーブコントローラーを内蔵し、産業機器の制御機能と通信機能を1チップに集積した。
動作周波数は240MHzで、米EEMBCのベンチマークテストで1396CoreMarkを達成している。倍精度FPU(浮動小数点演算ユニット)を内蔵する他、1Mバイトの大容量SRAMと4Mバイトのフラッシュメモリを搭載。大容量のSRAMにより、TCP/IP、Webサーバ、ファイルシステムなどメモリ使用量の多い複数のミドルウェアも、外付けメモリなしで高速実行できる。
4Mバイトのフラッシュメモリは、2Mバイトを2個構成で搭載。一方でプログラムを実行しつつ、他方でバックグランド書き換えに対応できるため、機器の安定動作が可能になる。産業通信用のデータ交換標準規格OPC UAなど将来の機能拡張にも、メモリを追加することなく、柔軟に対応できる。
他に、専用アクセラレーターとして、モーター制御の高速化に役立つ三角関数演算器やレジスタの一括退避機能を搭載。高精度のモーター制御に対応する。暗号鍵をハードウェアで守る暗号モジュールやメモリ保護機能も搭載しており、機器のデッドコピーや純正機器を装ったオプションユニットの接続を防止する。
224ピンの多ピン小型パッケージで提供され、従来製品に比べて基板面積を約50%削減する。小型産業用ロボットのモーター制御、PLC、リモートI/Oや産業用ゲートウェイなどでの利用を見込んでいる。
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