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最も効果的なノイズ対策がついに判明!? よくあるEMS対策を比較する【実験編】ハイレベルマイコン講座【EMS対策】(2)(3/4 ページ)

» 2019年11月29日 13時30分 公開

実験2:汎用IOラインのノイズ耐量の測定

図3:実験2の概要と結果

実験2:汎用IOラインのノイズ耐量の測定結果

(a)コンデンサーなし、チョークコイルなし、汎用IOライン上へのノイズ印加
  ⇒ロー出力160.0V、ハイ出力156.6V

(b)コンデンサーあり、チョークコイルなし、汎用IOライン上へのノイズ印加
  ⇒ロー出力284.0V、ハイ出力414.0V

(c)コンデンサーなし、チョークコイルあり、汎用IOライン上へのノイズ印加
  ⇒ロー出力276.0V、ハイ出力264.0V

(d)コンデンサーあり、チョークコイルあり、汎用IOライン上へのノイズ印加
  ⇒ロー出力474.0V、ハイ出力506.0V

 (a)を基準とすると、(b)コンデンサーの追加のみでロー出力の場合に1.77倍、ハイ出力の場合に2.64倍になった。

 また、(c)チョークコイルの追加のみでロー出力の場合に1.72倍、ハイ出力の場合に1.68倍になり、さらに(d)コンデンサーを追加すると、ロー出力の場合に2.96倍、ハイ出力の場合に3.23倍になった。

【考察】

 以上から、コンデンサーの方が高い効果を得られることが分かる。また、チョークコイルと比べてコストが低いため、有効な対策といえるだろう。ハイ出力において際立って効果が高い理由はこの実験だけでは判断できず、さらに実験を重ねて詳細を検討する必要がある。だが、考えうる原因としては端子の入力インピーダンスがハイ出力とロー出力で異なる点だ。

 ノイズの周波数成分とリセット端子の入力インピーダンスがマッチングしなければ、ノイズは内部に入りにくく、影響も出にくい。また、ノイズが逃げる経路も異なる。

 加えて、前回にも述べたが、EMS耐性はマイコンの使用環境やノイズ成分に大きく依存することを忘れてはならない。

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