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材料費は約50円! 部品からレーザーポインターを組み立ててみたWired, Weird(2/2 ページ)

» 2020年01月10日 11時00分 公開
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新人の電子工作の教育にも

 データシートからレーザーポインターの簡単な回路図を書いてみた。図4に示す。

図4:レーザーポインターの回路図

 図4の回路図から動作を読んでみた。IC YX8115に電源を供給すると、端子1を短時間オンさせてコイルに電流を流し、オフしたときのコイルの逆起電力を利用していた。高周波でスイッチングを継続させるとLEDが発光できる3V以上のパルス電圧が生成される。

 簡単な構成だったのでブレッドボードに組み込み、入力電圧を変動させて回路の動作と消費電流を確認した。図5に示す。

図5:ブレッドボードを使った回路で消費電流を測定した様子 (クリックで拡大)

 ブレッドボードに組み込み1.6Vを供給すると簡単に動作し、レーザーダイオードが発光した。消費電流は1.6Vで100mA程度。0.8Vでもレーザーダイオードは発光していた。電圧が下がっても明るさは変わらないように見えた。

 この部品数なら簡単に作れるし、費用はほとんどかからない。新人の電子工作の教育にも使えるだろう。電圧が下がった使用済みの電池も再利用できるので地球環境保護の教育にもなると思った。

6mm角のユニバーサル基板で小型版レーザーポインターに挑戦

 このセットを使ってハンディタイプの小型版レーザーポインターの製作に取り掛かった。まずはユニバーサル基板を6mm角に切って3つの部品を実装した。2.5mmピッチでの穴数は3×3個の小型な基板で実装可能だった。図6に示す。

図6:小型版レーザーポインター基板 (クリックで拡大)

 図6の実装は初心者には難しいかもしれない。基板を小さく作ったのは単4乾電池を組み込んで一体化するためだ。作った基板と単4電池を接続し熱収縮チューブでまとめてみた。図7に示す。

図7:小型版レーザーポインター (クリックで拡大)

 図7では電池のマイナス端子側に配線を長く伸ばし丸めてバネ状にした。ここを指で押すとレーザーダイオードが点灯する。これならスイッチもなく、かなり安価に作れる。教育用にはこれで十分だろう。

 出来上がったレーザーポインターをプレゼントするためにカバーを付けて少し見栄えを良くし、操作を楽にするために押しボタンスイッチを追加した。図8に示す。

図8:カバー、スイッチを取り付けた小型版レーザーポインター

 外側のカバーは100円ショップのライトの梱包紙を流用した。材料と簡単な工具をそろえれば5分程度の短時間で作れて、材料費も50円程度と安く済む。初心者の電子工作の教育には最適だろう。

 次はこれをバージョンアップして点滅するレーザーポインターを作ってみようと思う。『点滅するレーザーポインター』は読者には分かりにくいと思うが、もし出来上がったらかなり面白いレーザー光の軌跡になるだろう。点滅させるには筆者のオリジナル回路のシリアルオシレータを利用すれば良い。小さく作るのが面倒だが完成したら別途報告する。

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