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デジタルオシロスコープの基本仕様やトリガー機能デジタルオシロスコープの基礎知識(2)(1/6 ページ)

連載2回目の今回は、オシロスコープの「基本仕様の理解」「トリガー機能」「パラメーター測定および演算機能」「波形データの印字、保存、通信」について解説する。

» 2020年01月16日 11時00分 公開
[EDN Japan]
TechEyesOnline

 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

オシロスコープの基本仕様の理解

 市場にある多くのオシロスコープから適切な製品を選ぶには、仕様の正しい理解が必要となる。ここでは基本的な仕様項目について説明する。

周波数帯域

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 オシロスコープは、直流から高周波までの変化を観測できる。測定可能な周波数の上限を仕様で規定している。ただし、オシロスコープの周波数帯域は -3dB(本来の振幅の約70%)で規定されているので、仕様に規定された最高周波数で波形観測すると、振幅は本来の -3dBとなる。

 一般的なオシロスコープの入力の周波数特性は、ガウシアンカーブに類似したものであ

るため、正確な振幅測定を行うには、オシロスコープの仕様に規定された周波数帯域の1/3〜1/5の周波数の信号までとなる。

 ただし、ハイエンドの超高速オシロスコープでは、周波数帯域を有効に利用するため、周波数特性を高域までできるだけ平たんに伸ばし、その後急に減衰するようにしたり、A-D変換後の信号をDSPによって補正したりするものがある。

図1:100MHzオシロスコープの周波数特性

立ち上がり時間

 オシロスコープは周波数帯域が規定されているため、理想的な立ち上がり時間がゼロ秒の信号を入力しても、オシロスコープの画面には有限の立ち上がり時間の波形が表示される。

オシロスコープ画面上の立ち上がり時間(To)=定数k÷オシロスコープの周波数帯域(Ts)

 定数kの値は0.35〜0.45の範囲であり、オシロスコープの周波数特性曲線とパルス応答特性によって変わる。周波数帯域が1GHz未満のオシロスコープでは、通常0.35を使用する。1GHzを超えるオシロスコープでは0.40〜0.45を使用する。

 オシロスコープの画面に映る波形の立ち上がり時間は、信号の立ち上がり時間とオシロスコープの立ち上がり時間が合わさったものになる。従って、正確な立ち上がり時間を測定するためには、信号の立ち上がり時間の4〜5倍の立ち上がり時間がオシロスコープで必要となる。

図2:立ち上がり時間の誤差
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