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デジタルオシロスコープの校正やプローブの概要デジタルオシロスコープの基礎知識(3)(2/9 ページ)

» 2020年02月13日 11時00分 公開
[EDN Japan]

 また、オシロスコープ入力に合わせた専用コネクターになっている製品もあるので、選定には確認が必要である。

分類 型名 減衰比 周波数帯域 入力インピーダンス コネクター
1:1受動電圧プローブ P6101B 1:1 15MHz 1M || 100pF TekProbe LEVEL1
1:1/10:1切替式
受動電圧プローブ
P2220 1:1/10:1 10:1:200MHz 10:1:10M || 110pF BNC
1:1:6MHz 1:1:1M || 17pF
P2221 1:1/10:1 10:1:200MHz 10:1:10M || 110pF BNC
1:1:6MHz 1:1:1M || 17pF
2:1受動電圧プローブ TPP0502 2:1 500MHz 2M || 12.7pF TekVPI
10:1受動電圧プローブ TPP0051 10:1 50MHz 10M || 12pF BNC
TPP0100 10:1 100MHz 10M || 12pF BNC
TPP0101 10:1 100MHz 10M || 12pF BNC
TPP0200 10:1 200MHz 10M || 12pF BNC
TPP0201 10:1 200MHz 10M || 12pF BNC
TPP0250 10:1 250MHz 10M || 3.9pF TekVPI
TPP0500B 10:1 500MHz 10M || 3.9pF TekVPI
TPP1000 10:1 1GHz 10M || 3.9pF TekVPI
P3010 10:1 100MHz 10M || 13pF TekProbe LEVEL1
P5050B 10:1 500MHz 10M || 11pF TekProbe LEVEL1
P6139B 10:1 500MHz 10M || 8pF TekProbe LEVEL1
THP0301 10:1 300MHz 10M || 11pF BNC
表1:テクトロニクスの標準(受動)プローブ一覧
注)TPP0502、TPP1000、TPP0500B、TPP0250 TekVPIコネクターはキー付きとなっている

 プローブには、測定対象から正確な波形を容易に取り込めるようにするために多くのアクセサリーが用意されている。特に、高密度実装されたプリント基板上の信号を観測するときはアクセサリーが必要となる。

 標準(受動)プローブを使用する際の注意点は、波形を観測する前にCAL端子から出力されている方形波を使って調整を行うこと、また、高周波の測定を行う際にはプローブのグランドリードの影響を少なくするために短く接続することが必要である。

図3:標準(受動)プローブ調整 調整用ドライバーで真ん中の波形のように先端部を直角にする(クリックで拡大)

 グランドリードを長くすると、ケーブルインダクタンスの影響によって観測波形に乱れが生じる。高周波計測を行う場合はグランドリードを使わないで、グランドスプリングや基板-プローブチップアダプターなどを利用する。

図4:プローブのグランドリード長の影響(クリックで拡大)

 最近のオシロスコープにはプローブの調整を手動でなく、自動で行える機能を持つものがある。

 受動プローブは浮遊容量を低く抑え安定した値にするために、通常の同軸ケーブルやシールド線に比べてケーブルの芯線は極めて細いものとなっている。ケーブルに無理な力がかかると断線する恐れがあるので、プローブを巻いて保管するときの取扱いには注意が必要である。

 また、受動プローブに使われているケーブルの芯線は高インピーダンス線であるために、一般に市販されている芯線が低インピーダンス(銅)線のシールドケーブルや同軸ケーブルとは特性が異なる。受動プローブのケーブルが断線した場合にシールド線などで断線した部分をつなぐと、本来のプローブの性能が得られなくなる。このため受動プローブが断線したときは新品に交換することになる。

図5.テクトロニクスの標準(受動)プローブTPP0500のケーブル芯線(直径約0.1mm)

 また、電位を持った端子にグランドリードを接続すると、短絡電流が流れてプローブを破損することがある。例えば標準(受動)プローブでコンセントの交流波形を観測しようとして、グランドリードがLINE側に接続したときはプローブが破損したり、ブレーカーが動作して周辺の装置の電源が遮断されたりする。危険なので、コンセントの電圧波形観測に標準(受動)プローブを使ってはならない。

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