2017年5月に、光産業振興協会が光ファイバー電流センサーの規格OITDA FS 01:2017を発表した。この電流センサーは、偏光した光が磁界に比例して偏波面が傾くというファラデー効果を利用したものである。現在は、小型軽量で安全性の高い電流センサーとして電力設備での利用が始まっている。光ファイバー電流センサーの構造は下図のようになっている。
光ファイバー電流センサーは、ファラデーセンサー素子に特殊なガラスファイバーを利用するため絶縁性が高く、高電圧を取り扱う電力設備への利用は最適である。また、光による電流検出であるため、広帯域化が可能なこと、外部からの電気的なノイズの影響を受けないことなど、オシロスコープと組み合わせての利用が可能である。
横河電機は2005年に光ファイバー電流センサーの研究を行っていた東京電力から技術移転を受けて、測定用広帯域光ファイバー電流センサーを高密度に実装された車載インバーターの評価用に試作したことがある。
今後、パワーエレクトロニクス機器の高密度実装化やパワー半導体の高速化が進むと、このような新たな電流センサーが登場する可能性がある。
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