測定に使われる電力計は、パワーエレクトロニクス技術の進化にあわせて新しい製品が生まれてきた。ここでは電力計の進化を理解するために、パワーエレクトロニクス技術を取り巻く状況や歴史について述べる。
現在、日本国内では年間約1兆kWhの電力エネルギーが消費されている。下図では部門別の電力エネルギー消費の推移を示す。これによると、産業部門の電力エネルギー消費の推移は減少しているが、民生部門の電力エネルギー推移は増加している。
民生部門で電力エネルギーの消費が増えているのは、石油やガスを使う暖房機器から電気を使う冷暖房設備への切り替わりが進んだことのほか、温水洗浄便座や大型冷蔵庫の普及、PCやサーバなどの情報機器の普及などが理由としてあげられる。
電気エネルギー消費はさまざまあるが、その中でモーターによる消費は大きい。特に産業分野では、約75%の電気エネルギーがモーターで消費されている。
1997年に登場したトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の世界的な普及とともに、世界の自動車会社はハイブリッド自動車の開発生産を行うようになり、自動車の駆動源にモーターが広く使われるようになった。今後は電気自動車の普及が見込まれており、日本では2030年を目標に、自動車の電動化を拡大する政策が取られている。
2017年 (新車販売台数構成比) |
2030年 普及目標値 |
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従来車 | 63.6% | 30〜50% | |
次世代自動車 | 全体 | 36.4% | 50〜70% |
ハイブリッド自動車 | 31.6% | 30〜40% | |
電気自動車 | 0.41% | 20〜30% | |
プラグイン・ハイブリッド自動車 | 0.82% | ||
燃料電池自動車 | 0.02% | 〜3% | |
クリーンディーゼル自動車 | 3.5% | 5〜10% | |
表1:日本の次世代自動車の普及目標と現状 注)新車乗用車販売台数:438.6万台(2017年)≫ 出典:自動車新時代戦略会議中間整理(経済産業省 自動車新時代戦略会議 2018年8月) |
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