電力計の測定対象の多くは大きな電気エネルギーを扱う機器であるため、測定対象や電源からの影響を受けることがある。そのため、安定した測定環境を構築するにはノイズ対策が必要な場合がある。
電界、磁界、伝導によってノイズが電力計に伝わり、測定や電力計の制御に影響を与えることがある。電力計が外来ノイズの影響によって安定した測定ができない場合は、ノイズ源から影響を受けないように対策を行う。
ノイズ対策は有効な手段を選んで実施する。
電力計には、電圧と電流の入力信号に重畳したノイズを除去するための2種類のローパスフィルターがある。1つは、信号そのものからノイズを除去するためのラインフィルターである。もう1つは、周波数測定などを行うためのゼロクロス検出回路の入力にある、ゼロクロスフィルターである。
電力計を使って測定を行う際は、外部に大電流センサーを取り付ける場合や、PCと組み合わせて測定環境を構築する場合がある。
大型空調機器や電気自動車など大電流を取り扱う機器の場合は、電力計に内蔵された電流センサーでは測定できないため、外付け電流センサーを使う。電力計メーカーが指定する外付け電流センサーから選ぶ場合、配線法や使用上の注意点は電力計メーカーが示している。
ケーブルと電流センサーの位置を固定して再現性のよい測定をしたい場合は、電流センサーユニットの利用を勧める。
電力計に取り込んだ測定値を加工して表示する機能はあるが、電力計に搭載されたCPUの能力や本体の画面サイズの制約により、高度な解析や大量の測定データを取り扱うことができない。
このような場合は、測定したデータをPC環境で処理することになる。
電力計メーカーからは、測定データについて「PC画面上で表示、ほかのソフトウェアを使って解析するためのデータのフォーマット変換、基本的な解析、測定データの保存」が行えるPCソフトが用意されている。
また、低周波EMCや待機電力などの規格試験を行うための専用ソフトを用意している電力計メーカーもある。
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