村田製作所は、ASIL-Dに対応した6軸3D MEMS慣性力センサー「SCHA600」シリーズを発表した。衛星測位システム単独では測位が難しい、トンネル内などの車両位置も誤差数十cmレベルで検知するため、ADASや自動運転用途に適している。
村田製作所は2020年5月、ASIL-Dに対応した6軸3D MEMS慣性力センサー「SCHA600」シリーズを発表した。サイズは18.7×8.5×4.5mmで、32ピンのSOICパッケージで提供。同年12月末からの量産開始を予定している。
SCHA600シリーズは、独自の静電容量型3D MEMS技術により、小型化、高精度化、省電力化を達成。3軸の角速度計と加速度計を集積したことでユニットが小型化し、設計の自由度を高めている。加えて、ノイズレベルが低く、バイアス安定性と耐振動性に優れる。
SCHA600シリーズは、レファレンス信号によるモニタリング、通信異常やビットエラー検証用のチェックサム、異常信号の検出などが可能なフェイルセーフ機能を備える。また、広範囲にわたる自己診断機能により、MEMS素子内部から信号回路全体にわたって動作を検証する。
角速度測定範囲は±125度/秒または±300度/秒で、加速度測定範囲は±6g。温度変化による誤差は0.3度未満、アラン分散は0.9度/時、ジャイロRMSノイズレベルは0.007度/秒未満だ。動作電圧は3.0〜3.6Vで、動作温度範囲は−40〜+110℃となっている。
AEC-Q100規格、ISO 26262規格に準拠し、ASIL-Dシステム開発に対応する。高精度なセンサーが求められるADAS(先進運転支援システム)や自動運転のほか、レーンキーピングアシスト、デッドレコニング用途にも適しており、衛星測位システム(GNSS)単独では測位が難しい、トンネル内や橋の下の車両位置も誤差数十センチレベルで検知する。
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