2次共振と呼ばれる手法によりQHのRMS電流を削減することで、さらなる効率向上が可能です。1次共振では、トランスの消磁時間の間、そのリークインダクタンスはクランプコンデンサーのみと共振します。図4に示すように、2次共振では出力に単純なインダクター/コンデンサーフィルターを使用して、追加された2次共振コンデンサー(Csec_res)とリークインダクタンスを共振させ、CClamp>>Csec_res/(1次/2次巻線比)2となるようにします。
図5は、同じ回路で1次共振(左図)と2次共振(右図)の両方を用いたものです。両方ともまったく同じ仕様でありながら、2次共振が電流の形を変化させ、1次RMS電流を減少させたことがはっきりと分かります。2次共振を使用することで、トランスの1次巻線とQHの両方で導通損失が減少します。入力電圧がより低いときに効率向上が大きく、このとき1次電流は最大です。多くの場合、2次共振を実装すると、90VACで1%の効率向上が得られます。
適切に設計した場合、アクティブクランプフライバックを用いることで、驚くほどの効率と電力密度を実現できます。重要なのは、最適なマイナス電流で遷移モード動作を維持するコントローラを使用することです。
次にアクティブクランプフライバックを設計するときには、最適なFETを選択してスイッチノード容量を最小限に抑えることと、効率と熱特性の向上のために2次共振回路を追加することの重要性を思い出してください。
【著】Sarmad Abedin(Texas Instruments)
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