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アクティブ・クランプ・フライバック設計を最適化する方法電源設計のヒント(2/2 ページ)

» 2020年06月29日 11時00分 公開
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2次共振回路の利用

 2次共振と呼ばれる手法によりQHのRMS電流を削減することで、さらなる効率向上が可能です。1次共振では、トランスの消磁時間の間、そのリークインダクタンスはクランプコンデンサーのみと共振します。図4に示すように、2次共振では出力に単純なインダクター/コンデンサーフィルターを使用して、追加された2次共振コンデンサー(Csec_res)とリークインダクタンスを共振させ、CClamp>>Csec_res/(1次/2次巻線比)2となるようにします。

図4:2次共振が追加された回路

 図5は、同じ回路で1次共振(左図)と2次共振(右図)の両方を用いたものです。両方ともまったく同じ仕様でありながら、2次共振が電流の形を変化させ、1次RMS電流を減少させたことがはっきりと分かります。2次共振を使用することで、トランスの1次巻線とQHの両方で導通損失が減少します。入力電圧がより低いときに効率向上が大きく、このとき1次電流は最大です。多くの場合、2次共振を実装すると、90VACで1%の効率向上が得られます。

図5:2次共振により1次側の電流が減少する(黄色:VSW、青:1次電流、緑:2次電流)

 適切に設計した場合、アクティブクランプフライバックを用いることで、驚くほどの効率と電力密度を実現できます。重要なのは、最適なマイナス電流で遷移モード動作を維持するコントローラを使用することです。

 次にアクティブクランプフライバックを設計するときには、最適なFETを選択してスイッチノード容量を最小限に抑えることと、効率と熱特性の向上のために2次共振回路を追加することの重要性を思い出してください。

【著】Sarmad Abedin(Texas Instruments)

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