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最長1.7kmの伝送距離に対応するイーサネット物理層IC日本TI DP83TD510E

日本テキサス・インスツルメンツは、最長1.7kmで帯域幅10Mビット/秒のイーサネット信号が伝送できる、イーサネット物理層(PHY)IC「DP83TD510E」を発表した。ケーブルの延長により、産業用通信の対応範囲が広がり、システムを軽量化できる。

» 2020年10月20日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 日本テキサス・インスツルメンツは2020年10月、最長1.7kmで帯域幅10Mビット/秒のイーサネット信号が伝送できる、イーサネット物理層(PHY)IC「DP83TD510E」を発表した。

イーサネット物理層(PHY)IC「DP83TD510E」イメージ

 IEEE(米国電気電子学会)の802.3cgシングルペアイーサネット規格(10BASE-T1L)では、ケーブル長の要件が200mとなっているが、同製品はさらに1.5km延長している。ケーブルが長くなったため、産業用通信の対応範囲が広がり、システムの軽量化や配線コストの低減にも寄与する。

 また、同製品を設計に用いることで、全二重データ伝送に対応した単一の通信ネットワークを、コントローラーからエッジノードまで一対のツイストケーブルで構築できる。高帯域幅通信用のプロトコルやゲートウェイ、ケーブルの追加が不要になるほか、長距離アプリケーションのシステム制御を改善できる。

イーサネットAPLシステムに対応

 DP83TD510Eは、爆発の恐れがあるなど、危険性が高い場所での使用に最適化されたイーサネットAPL(Advanced Physical Layer)システムを想定して設計されている。外付け終端抵抗をサポートしており、フィールドトランスミッターなど長距離プロセスのオートメーションアプリケーションで使用する際、突入電流を低減して動作温度を低く保つ。

 同社のWebサイトにて量産前バージョン(32ピンQFNパッケージ)を提供している。1000個購入時の参考単価は3.2米ドル。また、評価モジュールの「DP83TD510E-EVM」も併せて提供しており、単価は149米ドル。量産品の提供開始は、2021年初頭を予定している。

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