パナソニック インダストリアルソリューションズは、低損失磁性材料を用いた面実装タイプの車載向けパワーチョークコイル「PCC-M1280MS」を発表した。損失電力が1.5Wと従来品の半分程度で、独自の巻線、成型技術により耐震性が高まっている。
パナソニック インダストリアルソリューションズは2020年12月、低損失磁性材料を用いた面実装タイプの車載向けパワーチョークコイル「PCC-M1280MS」を発表した。2021年2月から量産を開始する。
PCC-M1280MSは、同社独自の金属磁性材料によるメタルコンポジット材料をベースに開発した磁性材料を用いて、損失電力が1.5W、耐電圧が125V以下になった。同社従来品と比較して損失電力が半減し、耐電圧は倍増している。
新たな磁性材料に加えて、高精度にコイルを形成してコイルの周囲に磁性材を均一化する一体成型技術を採用。サイズを12.5mm角に抑えた(従来品は14mm角)。体積では同社従来品比で40%減になっている。
また、同社独自の巻線および成型技術により、端子の引き出し位置を同社従来品の半分の高さに抑えた。実装基板に近い位置に配置可能になったことで、耐震性が高まった。30G以下の振動に耐えられるため、実装工程でのボンディング剤による補強工程を削減できる。
定格電流は5.9Aで、定格電圧は125V。インダクタンスは40μHで、20℃での直流抵抗は41.0mΩになっている。同社は今後、インダクタンスレンジを拡大するとともに、より小型の製品を追加し、ラインアップの拡充を図る。
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