機能分割により、実際どのように解決しているのだろうか。一般的に、RUとDU間の距離は約10kmで、両者の間でパケットを転送するのに必要な極めて小さいレイテンシ要件に基づいている。強化されたCPRI(eCPRI)インタフェースは、全ての物理層機能をRUに移すことで、帯域幅の要件が緩和される。
ただし、RUの複雑さは大幅に増加する。図3中の「オプション 8(Option 8)」は代替の分割オプションで、物理層の機能を全てDUに格納し、アンテナはエッジにのみ配置する。これは、CPRIインタフェースを介した接続性を持つLTEアーキテクチャのようなものだ。
前述したように、5Gでは帯域幅の要件が大幅に増加する。DUとRU間で200Gビット、または300Gビットのトランスポートを必要とする名目上のシナリオでさえ、実行不可能だ。そこで、「オプション7.2」を活用する。この分割オプションによって、DUとRU間の分割を最適化する。物理層(PHY)は、Low-PHYとHigh-PHYに分割される。Low-PHYはRUに、High-PHYはDUにとどまる。その結果、フロントホールインタフェースで必要とされる帯域幅は、100MHzの帯域幅でMIMO機能が備わっている場合、約20Gビットとなる。
通常、DUからCUへの移行は、上位レイヤーの分割またはHLS(オプション2)を意味する。プロセッサ集中型の機能はCUに移行し、メディアアクセス制御(MAC)層や無線リンク制御(RLC)層といったスタックの残りの部分は、High-PHYとともにDUにとどまる。DUとCU間のインタフェースで、制御レベルで分割することが可能だ。DUとCU間のデータ要件は100Gビット程度であり、ミリ秒オーダーのレイテンシ要件がある。CUとDU間の距離要件は約80kmとなる。
さらに、バックホールインタフェースも忘れてはならない。バックホールインタフェースは、5G NSA(ノンスタンドアロン)展開の場合は4GネットワークへのCU接続ポイント、5G SA(スタンドアロン)実装の場合は5GコアネットワークへのCU接続ポイントとなる。このインタフェースの要件としては、距離要件が約200kmとはるかに長く、レイテンシ要件も約40ミリ秒とそれほど厳しくない。
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