STマイクロエレクトロニクスは、無線通信方式「LoRa」に対応したワイヤレスマイクロコントローラー「STM32WL」シリーズを拡充した。機能やパッケージオプションを拡充し、新たにデュアルコア搭載のマイクロコントローラーを追加している。
STマイクロエレクトロニクスは2020年12月、無線通信方式「LoRa」に対応したワイヤレスマイクロコントローラー「STM32WL」シリーズを拡充した。一般市場向けに同シリーズの機能やパッケージオプションを拡充したほか、デュアルコアを搭載したマイクロコントローラー「STM32WL55」を新たに追加した。
STM32WLシリーズは、同社の低消費電力マイクロコントローラーとSub-GHz無線通信サブシステムを兼ね備える。LoRaやSigfox、ワイヤレスMeter-Bus(wM-Bus)などのプロトコルに加えて、独自プロトコルやSub-GHz長距離無線プロトコルに使用されるGFSK、GMSK、BPSK変調方式に対応する。
搭載する2つのパワーアンプの最大送信電力は15dBmと22dBm。送信モードは高パワー、低パワーの2種類があり、免許不要のSub-GHzの周波数帯を使用するため、各種LPWANに対して互換性がある。
また、STM32WLシリーズ向けに提供されているソフトウェアパッケージは、ペリフェラルドライバや同社のLoRaWANプロトコルスタック、Sigfoxスタックなど、同シリーズの操作に必要となる、さまざまな組み込みソフトウェアを含んでいる。同社のスタックだけでなく、StackforceのW-MBusスタックなども使用できる。
今回の拡充で、STM32WLシリーズに加わったSTM32WL55は、Arm Cortex-M4およびCortex-M0+をベースとし、デュアルコアによるハードウェア分離でサイバーセキュリティを強化できる。また、アプリケーションのアップデート時に新しい無線通信製品として再認証する必要がないため、無線通信、アプリケーションともにリアルタイム性能が高まる。
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