電気二重層キャパシターには有機系の電解液を用いたものと水溶液(硫酸)系の電解液を用いたものの2種類があり、電解液のタイプによって製造順は多少異なります。
また、当然形状が変われば工程や使用材料も変わります。
*基本耐電圧
水溶液系(希硫酸) :1.2V前後
有機系 :2.5〜3.0V
ここでは有機系電解液を用いたEDLCの製造工程を説明します。
表2:巻回形電気二重層キャパシターの主な製造工程 (クリックで拡大)
表3:コイン形電気二重層キャパシターの主な製造工程 (クリックで拡大)今回は電解液の性能指数や成分について説明するとともに製造工程について簡単に説明しました。次回はEDLCにおいて重要視される特性や注意事項、寿命計算の考え方について説明をしたいと思います。
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
電気二重層キャパシター(1) ―― 概要と原理
セラミックキャパシター(6) ―― 新しい構造
セラミックキャパシター(5) ―― 高誘電率系キャパシターの温度特性
セラミックキャパシター(4) ―― 温度特性
セラミックキャパシター(1) ―― 原理、歴史などその概要
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