日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は、産業向けの逐次比較型アナログデジタルコンバーター「ADC3660」ファミリーを発表した。14、16、18ビットの分解能と10〜125Mサンプル/秒のサンプリング速度を有する8種類をそろえる。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2021年6月、産業向けの逐次比較型(SAR)アナログデジタルコンバーター(ADC)「ADC3660」ファミリーを発売した。1000個購入時の単価は14.5〜99.5米ドルとなる。
同ファミリーは、14、16、18ビットの分解能と10〜125Mサンプル/秒のサンプリング速度を有する8種類をそろえる。低レイテンシを特徴としており、125Mサンプル/秒で14ビット、デュアルチャンネルの「ADC3664」を用いた場合、ADCレイテンシは1クロック(8ナノ秒)となる。
また、消費電力を抑えながら、高いノイズ性能を備える。65Mサンプル/秒で18ビットの「ADC3683」では、信号対雑音比(SNR)を84.2dB、ノイズスペクトル密度を−160dBFS/Hzとしながら、チャンネルあたりの消費電力を94mWに抑えた。
10Mサンプル/秒で14ビットの「ADC3541」は、消費電力が合計36mW。これにより熱管理を簡素化し、GPSレシーバーなど電力の制約が厳しい機器において、バッテリーの持続時間を延長する。
サンプリング速度も速いため、システム内の部品点数を抑えることができる。例えばADC3683は、類似の18ビット製品に比べてサンプリングが4倍高速、チャネル密度が2倍のため、オーバーサンプリングにより目的の信号から高調波を除去できる。
オンチップのデシメーションオプションを用意しており、システムから不要なノイズや高調波を除去することで、SNRやスプリアスフリーダイナミックレンジを最大15dB増強する。
パッケージは、いずれも5×5mmのWQFNを採用した。各製品に対応した評価モジュールも249米ドルで提供する。なお、ADC3541の評価モジュールのみ未発売で、同年10〜12月の販売開始を予定している。
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