STマイクロエレクトロニクスは、車載用マイクロコントローラー「Stellar SR6」の提供を開始した。車両内の配線を簡素化するドメインコントローラー、ゾーンコントローラーとしての用途を想定している。
STマイクロエレクトロニクスは2021年6月、自動車関連企業に向けて車載用マイクロコントローラー「Stellar SR6」の提供を開始した。2024年の量産開始を予定している。
車載用プラットフォームとして設計されており、車両内の配線を簡素化するドメインコントローラー、ゾーンコントローラーとしての用途を想定している。ソフトウェア定義のプラットフォームに移行することで、柔軟性向上や多機能化、システムの信頼性向上に寄与する。
製造にあたっては、同社のFD-SOIプロセス技術を採用。ソフトエラー率耐性に優れており、自動車用機能安全規格「ISO 26262」の「ASIL-D」に準拠した車載用システムを開発できる。
ハードウェアベースの仮想化技術により、複数のソフトウェアをリアルタイムで個別に動作できる。複数のECUを実装処理することも可能で、柔軟な設計に対応する。
最初に提供を開始するのは「Stellar SR6 P」「Stellar SR6 G」シリーズで、最大20MBの相変化メモリを搭載。車載用電子部品規格「AEC-Q100 Grade 0」に準拠している。OTA(Over-The-Air)でのアップデートが可能で、同社技術によりOTAアップデート時はPCMセル構造を2倍のメモリサイズに構成できる。
Stellar SR6 Pシリーズは、次世代のドライブトレインや電動化向け統合システム、ドメインシステムの要件を満たすべく設計されており、リアルタイム性能や確定性に優れる。
Stellar SR6 Gシリーズは、CANやLIN、イーサネットを介したデータルーティングを可能とするアクセラレーターを搭載し、さまざまな通信インタフェースを提供。また、低暗電流に対応した低消費電力モードやモニタリングサブシステムを内蔵しており、システム全体の電力効率を高める。
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