飽和を避ける他の方法として、コアのバイアスを相殺する永久磁石を追加する方法があります。この磁気バイアスインダクターを使う解決策は古いテレビに標準的に利用されていたもので、今日でも高電力チョークの専門技術者が使っています。現在は、小型で低コストのフェライトインダクターを、飽和特性の規格値内で使う傾向にあります。
フェライトの飽和遷移は通常穏やかで、多くの場合、まだ規格を満足することが可能なことから、とにかく飽和を避けるという注意にも関らず、回路設計者は熟考した上で、ある条件においてフェライトコアが一時的に飽和することを許容することが可能です(周囲温度が高い場合やピークの高電流など)。コアが場合によって飽和することを許容することは、次に大きいサイズのインダクターを使うコスト増加には代えられないでしょう。しかしながら、飽和電流のスパイクはEMCノイズ全体を他の部品への温度ストレスを増加させます。従って、通常動作中に飽和することを決して許してはいけません。機能するためにコアを飽和させるロイヤープッシュプル発振器は、このルールの例外です(後記)
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