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スペクトラムアナライザーの構造と基本的な設定スペクトラムアナライザーの基礎知識(2)(4/5 ページ)

» 2021年09月13日 10時00分 公開
[TechEyesOnline]

スペクトラムアナライザーの使用上の注意

 高周波測定器は取り扱いを誤ると機器を破損する危険がある。ここでは、スペクトラムアナライザーを使用する場合の一般的な注意事項について説明する。

過入力への注意

 スペクトラムアナライザーの入力端子には最大入力値が示されている。この値より大きな信号を入力すると入力回路を破損する可能性がある。多くのスペクトラムアナライザーの最大入力値は+30dBm(=1W)となっている。

図11:スペクトラムアナライザーへの最大入力電力

 一般にスペクトラムアナライザー単体では直流に重畳した信号を直接観測することができないので、直流成分を阻止するDCブロックを併用する。

 過入力による破損を防ぐために下図に示すアクセサリーがあるので、利用する環境を考慮して使うのが望ましい。

図12:大入力を防ぐアクセサリー

 屋外で電波環境の観測をする場合は、スペクトラムアナライザーに測定用アンテナを取り付けて使用する。大きな出力の送信機の近くでは、測定用アンテナから入力される電力の和がスペクトラムアナライザーの許容値を超えてしまう可能性があるので注意が必要である。

静電気への注意

 静電気が帯電した高周波ケーブルをスペクトラムアナライザーに接続する前に放電しないと、入力回路を破損させることがある。その他にも、帯電した人が静電気に弱い端子に触れることによって破損させることがある。特に乾燥した冬は静電気が発生しやすいので注意が必要である。

 スペクトラムアナライザーなど高周波測定器を実験室や校正室で使う場合は、下図に示すように静電気対策した環境を構築することが最も望ましい。

図13:高周波測定器を取り扱う際の静電気対策 出典:ESD/EOSによる故障をなくすための測定環境対策(アンリツ)

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