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» 2022年04月14日 10時00分 公開

資産追跡とは何か無線技術を活用したリアルタイム位置情報システム(前編)

ワイヤレス技術を活用する「資産追跡」について解説します。前編となる今回は、資産追跡そのものについて、説明します。

[Bluetooth SIG,EDN Japan]

資産追跡とは

 Bluetoothの位置情報サービスは、「近接通信ソリューション」と「測位システム」に大別され、「測位システム」はさらに「リアルタイム位置情報システム(RTLS)」と「屋内測位システム(IPS)」の2つに分類されます。そして、RTLSシステムとして最も一般的に使われているソリューションが「資産追跡」です。

Bluetooth位置情報サービスの分類[クリックで拡大] 出所:Bluetooth SIG

 資産追跡は、施設や一定エリア内のさまざまな物体を追跡するために用いられる技術です。追跡する対象が“移動する資産”という点を除けば、屋内ナビゲーションや道案内システムと非常によく似ており、ネットワークを中心として動作します。技術の面でも、似た技術か、同じ技術が使われます。

 資産追跡の用途例としては、以下が挙げられます。

  • 資産の運用効率の改善(使用状況の追跡、機器やツールの位置情報の特定など)
  • 物流における資産の追跡(在庫や出荷の追跡など)
  • 商業施設などにおける消費者の行動分析(スーパーマーケットにおける買い物客の行動追跡など)
  • 生産施設内の資産追跡(製造ラインにおける資産追跡など)

 資産追跡の過程で収集されたデータは、意思決定のサポート、損失防止、資産運用効率の改善などに使われます。最終的な目標は、業務時間とコストの節約です。

資産追跡の構成デバイス

 資産追跡システムは、一般的に主に以下の2種類のデバイスで構成されます。

  • 施設内に設置された固定のロケータデバイス
  • 資産に取り付けたり、追跡対象のユーザーが身につけたりする追跡タグ

 バックエンドのソフトウェアはロケーションエンジンとも呼ばれ、システムの基幹として位置情報の計算を行います。他にもロケータデバイスの管理、資産の位置情報の報告、追跡指標のデータ分析を行うユーザーへのインタフェースの提供など、さまざまな役割を担います。

追跡対象の資産

 一般的に、追跡対象の資産は大きく分けて以下の2つのカテゴリーに分類されます。

  • 在庫:企業が販売代理店や消費者に出荷する商品など、一度手放したら基本的に戻ってくることがない資産です。追跡期間は短い傾向にあります。
  • 所有資産:施設内で社員が使うツールや機器など、企業が所有する資産で、使い続けられる限り追跡の対象となります。

 両者にはいくつかの違いがあり、それによって追跡方法も異なります。

 例えば所有資産は、一般的に各資産に固有のシリアル番号で追跡します。一方、在庫は部品番号および数量で追跡します。これは、在庫の各商品は基本的に同じものとして扱えるためです。

資産追跡の導入効果

 従来、資産追跡は手作業で行われてきましたが、これは多大な人件費がかかる作業です。ですがコンピュータやソフトウェア、ワイヤレス技術などの近年の技術の発展により、はるかに効率的な自動化ソリューションが実現しています。

 資産追跡ソリューションを実装すれば、以下のような効果が期待されます。

  • 建設現場における機械の追跡・運用効率の向上
  • 生産・製造施設における製造ラインの効率の追跡
  • 医療施設における医療機器などの追跡
  • 倉庫における在庫や出荷などに関する物流面の追跡
  • 教育機関における高価な機器の追跡および紛失・盗難防止

資産追跡のメリット

 資産追跡は、ビジネス面で多くのメリットをもたらします。とりわけ重要な要素として、以下の点が挙げられます。

  • 運用コストの削減
  • ツールや機器の運用効率の改善
  • 空間および設備の使用効率の最適化
  • 重要資産の紛失・盗難防止
  • 在庫および出荷の自動管理


 次回の後編では、さまざまなワイヤレス技術を比較しながら、資産追跡に最も適した技術を探ります。

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