5Gダイポールアンテナ向けコンパウンド材料:SABIC LNP THERMOCOMP OFC08Vコンパウンド
SABICは、5G基地局のダイポールアンテナに適した樹脂ベースの新材料「LNP THERMOCOMP OFC08Vコンパウンド」を発表した。レーザーを使った金属めっき加工に対応し、軽量でコスト効率の良いアンテナ開発に貢献する。
SABIC(サビック)は2022年4月、5G(第5世代移動通信)基地局のダイポールアンテナに適した樹脂ベースの新材料「LNP THERMOCOMP OFC08Vコンパウンド」を発表した。アンテナの軽量化や、PCB製造工程、金属めっき工程の簡素化が可能になり、システムコストの削減に貢献する。
5Gダイポールアンテナ向け新材料「LNP THERMOCOMP OFC08Vコンパウンド」 出所:SABIC
LNP THERMOCOMP OFC08V コンパウンドは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂をベースとした、ガラス繊維強化材料だ。LDS(レーザーダイレクトストラクチャリング)による立体形成加工と化学めっきに対応し、従来の複雑なプラスチックの部分電気めっきと比べて、シンプルで生産性が高い。
めっき加工のしやすさと、めっき線幅の均一性を両立するのに加え、プラスチック層と金属層間の密着性が高く、熱老化や鉛フリーリフローはんだ付け後に剥離する心配がない。従来のガラス繊維強化PPSよりも反りが少なく寸法安定性に優れるため、ダイポールアンテナの射出成形と正確な組み立てを可能にする。
「UL-94 V0」等級の難燃性を有し(0.8mm厚)、耐熱性も高い。また、誘電率が4.0、誘電正接が0.0045と低く、この安定した誘電性能と優れたRF性能により、アンテナの伝送性能の最適化と製品の長寿命化が図れる。
- 曲面設置可能な5G-Sub6帯対応アンテナ
大日本印刷は、5GのSub6周波数帯に対応した、フィルム型アンテナを開発した。直径15cmの円柱にも巻き付けられるしなやかさと屋外設置可能な耐候性を有しつつ、5G-Sub6帯で100MHz以上の帯域幅に対応する。
- 5G通信の高速伝送に貢献する中空ガラスの添加剤
スリーエム ジャパンは、中空球の微小ガラスでできた高機能添加剤「3M グラスバブルズ S4630」「3M グラスバブルズ S3240-VS」を発売した。低い比誘電率と誘電正接を特徴とし、5Gなどの伝送性能の向上に貢献する。
- 5G通信向けの超低誘電損失LTCC材料
日本山村硝子は、5G通信向けに、超低誘電損失特性を備えたLTCC基板材料「SK4」「BR03」「FT7」を発売した。サブ6帯やミリ波帯通信で使用する回路基板、フィルターなど、通信部品の基板に適する。
- ミリ波帯アンテナ向け低伝送損失多層基板材料
パナソニック インダストリアルソリューションズ社は、ハロゲンフリー超低伝送損失多層基板材料「R-5410」を製品化した。低損失、高効率化が求められる、車載ミリ波レーダーや5G無線通信基地局の基板材料に適している。
- 高い放射効率を有する小型アンテナ
日本航空電子工業は、高い放射効率を有する小型アンテナ「AN01」シリーズの販売を開始した。最大90%以上の高い放射効率を誇り、製品の横幅が対応する波長の10分の1程度に抑えられている。
- 折り曲げ耐性、耐熱性を向上させた5G向けFPC
日本メクトロンは、液晶ポリマーベースのFPCと変性ポリイミドを用いた高速伝送用FPCを開発し、量産を開始した。MPIと低誘電接着剤を組み合わせることで、従来のLCP FPCと同等の伝送特性を維持しつつ、折り曲げ耐性や耐熱性の向上に成功した。
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