ノルディックセミコンダクターは、Bluetooth LE Audio製品の開発向け設計プラットフォーム「nRF5340 Audio Development Kit」を発売した。デュアルコア構造のワイヤレスSoCやPMICを搭載し、高音質、低消費電力のオーディオ製品開発を支援する。
ノルディックセミコンダクターは2022年5月、Bluetooth LE Audio製品の開発向け設計プラットフォーム「nRF5340 Audio Development Kit(DK)」を発売した。価格は169米ドルとなる。
同キットをUSBドングルのように用いることで、PCやTWS(True Wireless Stereo)イヤフォン、業務用ヘッドセットで高質な音声を送受信できる。通常はUSBによる電力供給で動作するが、リチウムイオンおよびリチウムイオンポリマーバッテリー用のコネクターも備える。
また、2つの3.5mmオーディオジャックやプログラミング可能な5つのボタンとLED、ストレージ追加用のSDカードホルダー、プログラミングとデバッギング用のSEGGER J-Linkデバッガ、アナログおよびデジタルインタフェース、GPIOアクセス用コネクターを搭載している。
nRF5340 Audio DKは、ワイヤレスSoC(System on Chip)「nRF5340 System-on-Chip(SoC)」をベースとする。同SoCは、128MHzと64MHzのArm Cortex-M33プロセッサを内蔵したデュアルコア構造を採用している。
128MHzのプロセッサは、1Mバイトのフラッシュメモリと512KバイトのRAMを備え、カスタムアプリケーションやLC3などのオーディオコーデックの処理に適する。64MHzのプロセッサは、256Kバイトのフラッシュメモリと64KバイトのRAMを装備し、同社のBluetooth LE Audio RFプロトコルソフトウェア向けに最適化している。
その他に、nRF5340 Audio DKは、同社のパワーマネジメントIC「nPM1100」や、Cirrus Logicのオーディオデジタルシグナルプロセッサ「CS47L63」も搭載する。
nPM1100は、設定を変更できるバックレギュレーターや、電流容量が最大400mAの充電器を備えている。小型なため、TWSイヤフォンなど限られたスペースでの実装が求められる機器に適する。CS47L63は、外部ヘッドフォン負荷への直接接続に最適化しており、モノラルのみの直接スピーカー出力を有するイヤフォンに適する。
技術者は、従来のClassic Audioの代わりにLE Audioを用いることで、音質に優れた駆動時間の長いイヤフォンを開発できる。駆動時間が従来製品と同程度の製品を開発する場合は、部品コストを抑えて製品をより小型化できる。
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