温度を測定する方法はさまざまだ。そのなかでよく使われる温度センサーは、下表に示す通りである。
測温体 | 利点 | 欠点 |
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熱電対センサー | (1)小さい箇所の温度測定ができる (2)熱時定数が小さい (3)温度差を測るのに都合がよい (4)振動、衝撃に対して丈夫である |
(1)基準接点が必要である (2)基準接点および補償導線の誤差を考慮する必要がある |
測温抵抗体センサー | (1)熱電対のような基準接点を必要としない (2)熱電対に比較して、常温、中温付近で精度がよい (3)ある大きさの部分の平均温度を測定するのに都合がよい |
(1)熱時定数が大きく、遅れを小さくしにくい (2)自己加熱に注意する必要がある (3)振動の強い場所では破損のおそれがある |
サーミスター | (1)小さい箇所の温度測定ができる (2)熱電対のような基準接点が不要である (3)感度が非常によい (4)素子の抵抗値が大きいため、導線抵抗による誤差が無視できる |
(1)抵抗と温度との直線性が悪く、使用できる温度範囲がせまい (2)自己加熱に注意する必要がある (3)互換用抵抗を用いた合成抵抗式では、温度変化に対して抵抗変化率が小さくなる (4)振動、衝撃で破損する恐れがある |
出所:e-learning教材「電気電子計測コース、LCRを測る」(科学技術振興機構のHP) |
温度センサーの中で最もよく使われるのが熱電対であるが、ゼーベック効果を利用している熱電対を使うには端子台の温度を別の手段で測って補正する仕組みが必要となるため、端子構造が複雑になる。34461Aでは温度測定が付加的な機能であるため、追加の回路が
不要な白金測温抵抗体とサーミスターに限定されている。
34461Aで利用できる白金測温抵抗体とサーミスターは、温度に対して抵抗値が変化する特性を持っている。白金測温抵抗体は、温度に対して抵抗値がほぼ直線状に変化する。
一方、サーミスターは温度の変化に対して抵抗値は直線的に変化しない。下図には34461Aで使える5kΩ(@25℃) 44007タイプのサーミスターの温度特性を示す。
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