EVバッテリー再利用システム向けの基板を開発:ネクスティ スイープ蓄電システム向け基板
ネクスティ エレクトロニクスは、HEVやPHEVなどのバッテリーを再利用する、スイープ蓄電システム向け基板を開発した。同基板はジェラとトヨタ自動車が2022年10月に発表した、大容量スイープ蓄電システムに実装されている。
ネクスティ エレクトロニクスは2023年2月、HEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)などのバッテリーを再利用する、スイープ蓄電システム向け基板を開発したと発表した。
スイープ蓄電システムのイメージ 出所:ネクスティ エレクトロニクス
スイープ蓄電システムは、バイパス経路を形成するパワー基板と、電池の状態をモニタリングしてバイパス経路を制御する制御基板によって構成される。
パワー基板では、トランジスタによりバイパス経路を切り替え、直列に接続した電池またはバイパスに100A以上の電流を流す。そのため、トランジスタのスイッチング制御技術や熱設計技術が求められる。
開発したパワー基板 出所:ネクスティ エレクトロニクス
また、制御基板により、任意かつ個別に充放電量の制御が可能となる。電池の総電圧などを測定してパワー基板に指示を送るため、開発には信号制御やノイズ抑制といったアナログ回路の知見も求められる。
ネクスティ エレクトロニクスは2019年4月から、トヨタ自動車のスイープ蓄電システム開発に参画している。なお、同基板はJERA(ジェラ)とトヨタ自動車が2022年10月に発表した、大容量スイープ蓄電システムに実装されている。
- 表面実装型パッケージの車載用パワーモジュール、STマイクロ
STマイクロエレクトロニクスは、表面実装型パッケージ「ACEPACK SMIT」を採用した車載向けパワーモジュール5製品を発表した。いずれも車載電子部品規格「AEC-Q101」に準拠し、PPAPにも対応する。
- 車載、産業向け650Vリカバリー整流器
ネクスペリアは、車載および産業アプリケーション向けの650Vリカバリー整流器として、標準製品の「PNU65010ER」「PNU65010EP」、車載規格のAEC-Q101準拠製品「PNU65010ER-Q」「PNU65010EP-Q」を発表した。
- EV制御向けの車載マイクロコントローラー
NXPセミコンダクターズは、EV制御向けの車載マイクロコントローラー「S32K39」を発表した。トラクションインバーターの制御に最適化しており、IGBTに加え、SiCやGaNにも対応できる。
- 北米、日本市場向けのEV充放電用コネクター
日本航空電子工業は、同社のEV充放電用コネクター「KW1C」シリーズに、北米や日本市場向けのUL認証およびJCS規格対応品を追加し、販売を開始した。EVの急速充電やV2Xといった用途に適する。
- 軽量難燃のEV電池用絶縁フィルム向け樹脂
SABICは、EV用電池モジュールの絶縁フィルム向け「NORYL NHP8000VT3樹脂」を発表した。ポリカーボネートと比べて最大40%の軽量化を可能にしつつ、短絡や火災伝搬に対する高い保護性能を提供する。
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