STマイクロエレクトロニクスは、車載向けMEMS慣性モジュール「ASM330LHB」を発表した。車載用に設計した3軸デジタル加速度センサーや、3軸デジタルジャイロセンサーを搭載している。
STマイクロエレクトロニクスは2023年4月、車載向けMEMS慣性モジュール「ASM330LHB」を発表した。既に量産を開始していて、単価は約11.9米ドル(約1600円)。2.5×3.0mmの14ピンVFLGAパッケージで提供する。
ASM330LHBは、車載用に設計した3軸デジタル加速度センサーや3軸デジタルジャイロセンサーを搭載する。同期した6軸データ出力レジスターも内蔵。高精度の慣性測定性能により、自動車の測位精度を向上できる。
専用のソフトウェアを用いることで、「ASIL B」までの機能安全性に対応。ASIL Bとは、自動車の機能安全規格「ISO 26262」で定義されたASIL(自動車安全性レベル)で2段階目の分類レベルを指す。また、車載電子部品規格「AEC-Q100」に準拠している。
数マイクロアンペアの消費電力で動作するMLC(機械学習コア)も搭載していて、機械学習アルゴリズムで盗難やけん引、ジャッキアップ、他車の追突などを検知できる。しきい値を組み合わせて監視すれば、自動車の動作中や静止中の状態検知、振動と不安定性の検出それぞれに対して、ステートマシンを最適化できる。
動作モードを複数搭載していて、データ更新レートや消費電力を最適化できる。加速度センサーとジャイロセンサーのバイアス安定性は、1時間あたり3度。−40〜+105℃の温度範囲で動作する。
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