インダクターやキャパシターを小型化するためは使用する材料の特性が重要です。特に小型化に注力した場合、磁性体や誘電体に強磁性体、強誘電体と呼ばれる材料を使用することは避けられません。
しかしこれらの材料は原子、分子の構造に起因する特性を利用していますので材料を構成する全ての原子、分子の特性が使われた後はそれ以上、磁束や電束*を増加させることはできなくなります。
つまりLやCの値は徐々にその定義の源である比例関係を失い、その値を減少させていきます。結果としてこの現象が使用部品の特性上限値を構成します。特にインダクターの場合の電流上限値は飽和電流値I(sat)として知られています。
*電束:1クーロンの電荷から1本出るとした架空の線。「電束が増えない」ということは電荷が増えないということと同義であり、C=Q/Vで考えると2倍の電位差を与えても1.8倍の電荷しか蓄積されなければ容量Cは0.9倍に低下します。磁束の場合も同じです。
注)本連載ではLやCの詳しい特性や使用時の注意点などは説明しません。使用部品について詳しく知りたい方は各種文献、例えば 「≪中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座」の「フェライト」「アルミ電解コンデンサー」など関係する部品の章を参照してください。
実際の設計にあたっては回路図を書く必要が生じますが、複雑な機器になるほど多くの回路図が必要になり、設計担当者も多人数になります。
この時、各人がバラバラな回路図の書き方(表記)をしていては見にくいだけではなく設計ミスの原因にもなり兼ねません。やはり統一された見やすい回路図は設計の第一歩です。
ここでは私が使ってきた回路図の作成ルール(表記法)を参考として下記に記します。別にこのルールがベストというわけではなく、各自で見やすい統一ルールを作成してもらえれば良いかと思います。
見やすい回路図=ミスを見つけやすい回路図
(直感的な電気の流れを重視します)
プリント基板配線用回路図と別物と考える
その他のノウハウ
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