オーバーヒート症状が出ているモータードライバーの修理の続きだ。今回は修理とともに、故障の再発を防ぐ措置も講じた。
オーバーヒート症状が出ているモータードライバーの修理の続きだ。前回、モータードライバーの機能や構造は把握でき、破損したサイリスタも分かった。そして、再発を防ぐためのNTCサーミスタによる突入電流防止回路の挿入についても修理の依頼主から承諾を得た。それでは修理作業に取り掛かろう。まずは電源部の全体をクリーニングした。図1に示す。
図1左はクリーニング前、図1右はクリーニング後だ。図1左の通り、配線に油やほこりが付着しているのが良く見える。アルコールで拭いても油汚れは取れなかった。油汚れに強い業務用洗剤を使って汚れを除去して、その後に水でぬらしたクロスで拭き取って乾燥させた。次に交換する三相サイリスタの端子にマークを入れた。図2に示す。
図2の黄色い端子が三相電源と電解コンデンサーへ接続する端子だ。一緒に接続されているのはサージ吸収用コンデンサーの配線だ。P端子には合計4個の端子が締め込まれていた。安全規格では最大3個までが締め込み可能なのでこれはアウトだ。左下には各相のゲートを制御する小さな端子に青色のセラミックコンデンサーが配線されている。三相サイリスタを交換し、電解コンデンサーを充電するP配線にNTCサーミスタをハンダ付けした。図3に示す。
図3上にある黒い部品は故障した三相サイリスタだ。図3中央、赤丸で示した中にNTCと記載された円形の黒い部品が見える。これが追加したNTCサーミスタだ。P端子の太い配線をむいてNTCサーミスタのリードをハンダ付けして、ヒシチューブでカバーした。これらの電力部品の上に、基板の固定金具を載せて、基板を固定した。これで修理作業は完了だ。
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