ロームは、2in1仕様のSiC(炭化ケイ素)モールドタイプモジュール「TRCDRIVE pack」シリーズを開発した。同社の第4世代SiC MOSFETを採用し、300kWまでのxEV向けトラクションインバーターに対応する。
ロームは2024年6月、2in1仕様のSiC(炭化ケイ素)モールドタイプモジュール「TRCDRIVE pack」シリーズを開発したと発表した。同月より月産10万個体制で量産を開始していて、サンプル価格は1個当たり7万5000円(税別)。
同シリーズは、300kWまでのxEV(電動車)向けトラクションインバーターに対応。ハイサイドとローサイドの2種のMOSFETを1モジュールに搭載した、2in1仕様となっている。同社の第4世代SiC MOSFETを採用し、電力密度は一般品の1.5倍で、xEV用インバーターの小型化に貢献する。
プレスフィットピンを用いた制御用信号端子を、モジュール上面に搭載する。上面からゲートドライバー基板をプレスするだけで接続できる。主電流配線の電流経路を最大化したほか、配線の2層構造によりインダクタンスを5.7nHに抑えた。スイッチング損失の低減に寄与する。
750Vの「BSTxxxD08P4A1x4」2品番および1200Vの「BSTxxxD12P4A1x1」2品番の計4品番を用意した。サイズは、41.6×52.5mmと58.6×52.5mmの2種となる。モジュールでありながら、ディスクリート並みの大量生産体制を確立し、従来のSiCケースタイプモジュールと比較して生産能力が約30倍向上した。
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