マイコンが低消費電力モードに入る方法の1つに、動作クロックの供給を止める方法があります。
クロックの供給を止めると、論理ゲートのMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ: Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、以降MOS)は、PチャネルMOS(以降、PMOS)またはNチャネルMOS(以降、NMOS)のどちらかがオンし、他方がオフに固定されます。これでMOSのスイッチングの動作が止まり、スイッチングによって発生する電流も止まります。論理回路で比較的簡単に付けられる機能なので、一般的な方法として使われてきました。
しかし、この場合マイコン内部のMOSには電圧が印加されつづけ、リーク電流が流れ続けます。リーク電流は、非常に微小で、MOS単体で考えると無視できる範囲ですが、マイコンには、何百万個、何千万個以上のMOSがあるため、総量を考えると無視できなくなります。
そこで、未使用部分の電源供給をハードウェアで停止する方法が考えられました。電源を遮断してしまえば、リーク電流も流れず消費電力は0(ゼロ)になります(図2)
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