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マイコンの「バックアップドメイン」って何?Q&Aで学ぶマイコン講座(95)(4/4 ページ)

» 2024年09月30日 10時00分 公開
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実際の製品のバックアップドメイン

 例えば、STM32L475xxマイコンの場合、バックアップ電源の電圧は1.55〜3.6Vです(表1

表1:バックアップドメイン(VBAT)の入力電圧 表1:バックアップドメイン(VBAT)の入力電圧[クリックで拡大]
STM32L475xxのデータシートから抜粋

 バックアップドメインの消費電流は、表2に示すようにナノアンペア(nA)のレベルになります。

表2:バックアップドメイン(VBAT)の消費電流 表2:バックアップドメイン(VBAT)の消費電流[クリックで拡大]
STM32L475xxのデータシートから抜粋

 バックアップドメインの構成や仕組みは、同じメーカーのマイコンでも製品ごとに異なります。各製品のマニュアルを必ず確認しましょう。

 例えば、STM32L4シリーズでは、バックアップドメインに関して次のように記載されています。

バッテリーバックアップドメイン

 VDDがオフになった場合に、バックアップレジスタの内容を保持し、RTC の機能への電源供給を維持するために、VBATピンをバッテリーやその他の電源から供給されるオプションのバックアップ電源に接続することができます。

VBATピンからRTCユニット、LSEオシレーターおよびPC13からPC15のIOに電源が供給され、主電源がオフの場合でもRTCが動作できるようにします。VBAT電源への切り替えは、リセットブロックに組み込まれているパワーダウンリセット回路によって制御されます

 ここで、VDDとはメイン電源です。LSEオシレーターとは時計用クロック発生回路です。さらに、一部のIO端子にも電源供給されると書かれています。これらのIO端子は、低消費電力モードの時に、大きな電流が流れ出ないようにしないと、バックアップ電源の容量オーバーになったり、電池の場合、すぐに電池が無くなったりしてしまうので注意が必要です。

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